※定員に達したため応募を締め切りました。
福岡でも、スキルがなくても働ける理由
「IT業界」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「残業が多そう」
「個人プレイで動いていそう」
「スキルがないとできなそう」
「女性が少なそう」
ざっとこんな感じでしょうか?
実際、IT業界で働く女性技術者の比率は20%以下だと言われています。でも、働き方が多様になった現在、実は私たちにとってそれは、身近な選択肢の一つになるかもしれません。
コロナ禍になるよりも前に、“会社に行かない働き方”を実践してきたのが、サイバーセキュリティサービスやシステム開発事業を手掛ける株式会社ラックの又江原さん。常識にとらわれない考えを持つ又江原さんは、こう言い切ります。
「効率よく仕事をこなすことが出来たら、家で仕事出来るよね。つまり、会社に来なくていいんだったら、ラックで働きたいという意欲はあるけれど、今住んでいるところを離れられない、通勤が難しいといった人も働ける。じゃあそういう制度をつくったらいいんじゃない?」
そんな発想で始まったのが、フルリモート採用です。その制度でまず採用されたのが、北海道に住んでいるママ社員の今田さん。
今回の福岡も、フルリモート採用枠での募集です。
ラックの本社は東京にあります。取材時に伺ったのはラックテクノセンター北九州。新規事業開発部が北九州市を中心にフルリモート採用枠で地域採用を推進している拠点です。
基本的に、社内もリモート勤務の方が多く、『今日が久しぶりの出社です。』と人事部の大西さんが教えてくれた。
通された部屋には、新規事業開発部の三宅さんとテレビ画面に映る又江原さんの姿が。部の責任者である又江原さんは、東京からリモートでの参加だ。
今回募集するのは、九州地域における事業開発の担当者。
事業開発と聞くとすごく難しそうですが、具体的にはどのような仕事ですか?
「一般的に『事業開発』のイメージは、『企画』や『上位層』的な認識があると思うのですが、弊社が求めているのは、全く違いまして、もっと『リアル』な事業開発活動です」
「最初は、自治体の事業や地域でのイベントにおいて、窓口担当として調整等を行っていただきます。そこから将来的には様々なプロジェクトを運営していくプロジェクトマネージャー(PM)を目指してほしいと考えています」
なんだかすごくスキルや経験がないと難しそうですが、どのくらい必要ですか?
「いや~特に、スキル、経験はいりません。PCの基本的な操作、メール文章が書ければOKです。事業開発の経験がなくてもしっかりとサポートをしていきます。」
え?! スキル、経験いらないんですか?
「まぁ、経験があればなおいいな~くらいですよね」
「スキルがある人って、そんなにいないじゃないですか(笑)、中途半端にスキルありますって言われても分かっちゃうんで。正直な人がいいな~」
「スキル云々よりも、情熱ですね!『やってみたいな、ここに興味あります』という気持ちがあれば、スキルはあとからついてきます。そういう方は、ご自身でどんどん勉強して身につけていくんですよね。逆に、『分かりません、これ教えていただかないとできません』という姿勢の人だと厳しいですね」
メンバー全員がフルリモート、その働き方とは
今回働くことになる新規事業開発部のメンバーは11人。
全員がフルリモートでの勤務で、一番新しいメンバーは、先述した北海道在住の今田さん。
『リモートワーク』
初めて挑戦する人にとっては、実際に同じ場所で仕事をしていない分、遠慮せずに自ら発信出来る、情報を取りに行ける、自分のタスクをきちんと管理して、すすめることが出来る、というこれらの要素がとても大事になってきそうだ。
最初からリモートだと、コミュニケーションの取り方など難しそうですね。
コミュニケーションはどのようにされていますか?
「そうですね、基本的にはチャット(MicrosoftのTeamsを使用)でのやりとりが多いですね。今田さんとも1日に何度もやり取りしますが、この間、九州と北海道で本州をすっ飛ばして一緒に仕事してるってすごい事だよねっていう話をしたところでした」
「うちの社風として、基本的にすべてマネジメント層からではなくて、全社員が自ら情報発信をしなさいよ、というスタンスでやっているんです。分からない事は聞く、伝える、ということをみんなやっています。ですから、コミュニケーションはうまくとれているんじゃないかなと思います」
今どき、といえば今どきの仕事のスタイル。
又江原さん曰く、リモートになったのはコロナ禍がきっかけではなく、いかに効率よく仕事ができるかを考えた結果だそう。
「会社より、社外(コロナ禍以前は居酒屋)で会う頻度が多いなんてこともあります。その時は、特に若手は、会社全体の、経営層でしか話さないような動きを知りたがっているのでそういった話をしたり、業界の話をしたりして、自分たちの関わっている仕事がどう役に立っているかなんて話をします」
北海道で仕事をしている今田さんにも、普段のコミュニケーションの中でこの仕事の必要性、そして「あなたのここに期待しています」ときちんと伝える事を大事にしている。
自分の仕事が何のためにあって、どう役に立っているのか、そういうことを分かったうえで、仕事をする。当たり前のように思えるが、実際、自分の仕事の価値をきちんと理解したうえで働いている人はどのくらいいるのだろうか。
社会のため、誰かのために自分の仕事が役に立っていると認識し、期待されたうえで仕事ができるのは大きなモチベーションになるような気がする。
気になる社内の雰囲気、子どもの体調不良時は
誰かのため、社会のためになる仕事に挑戦したいとは思うけれど、実際にできるのか。特に、子育て中の女性にとっては、子どもの急な体調不良など、心配ごとが多いのも事実。
社内の雰囲気はどんな感じなのだろう?
「現在、社内で働いている女性の割合は2〜3割とIT業界では多い方だと思います。女性でもマネージャー職をしている人もいますし、育休から復帰して働いている人も沢山います。男性でも『保育園のお迎えに行くので少し抜けます』といった感じで、チームで調整しながらやっていますね」
「新規事業開発部でも、『子どもが熱が出て……』とか『幼稚園の行事が……』という際には、『ハイどうぞ!』って感じでやってます」
急なお休みや体調不良の際には、チーム内でうまく調整して回しているというのはとても安心できる。
しかし、リモートワークが初めてという人の中には、自宅で仕事をしていると、子どもの熱で休んだ分、自分の体調が悪くても少しくらい大丈夫、……と、無理をしてしまう人もいそうだ。
「実はこの前、少し体調が悪かったんです。そしたら、又江原から『今日体調悪いんじゃないの?大丈夫?』ってメッセージが飛んできました(笑)」と、普段は北九州で仕事をしている三宅さんが話してくれた。
又江原さんはメンバーの変化に気付いた際は積極的に声掛けをしているそう。
「リモートだけど、きちんと仕事している、していないというのもスケジュールを管理しながらやっているのではっきり分かりますし、体調が悪そうだなというのも仕事の進み具合を見ていたら分かります」
目には見えないものから大切なものを守るセキュリティの会社。そんな会社だからこそ、離れていても、ちゃんと見てくれているし、見えているということですね。
サミットから通販まで。ラックが取り組む新たなセキュリティ事業とは
ラックは、どこでも誰とでも繋がれるネット社会において、サイバー攻撃などの危険から私たちを守るセキュリティサービスを提供している。
ラックではセキュリティソリューションサービス、システムインテグレーションサービスという2つの事業の柱があるそう。
「セキュリティのみ、システムインテグレーションのみの会社は世の中にたくさんありますが、両軸をメインにしている会社は珍しいのではないでしょうか?そこが当社の強みの一つですね」
「システムの開発からセキュリティまで一貫して出来るので、技術力の高さと安心・安全を一緒に届けることが出来るというのも強みですね。ただ、基本的にBtoBのお仕事なので一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんね」
なるほど。しかし、まだいまいち遠い存在な気がしてピンとこないのですが……。
「例えば、お取引先で言うと、金融関係や人材会社、食品関係、あ、ネット通販のECサイトでも導入していただいているので、もしかしたら普段お買い物しているサイトの安全もラックが担っている、なんてことがあるかもしれませんね」
「また、大きいところで言うと、日本で開催された九州・沖縄サミットでもセキュリティの面でラックが関わっていたりします」
ネット通販だったら、確かに身近ですね!その、一方でサミットですか?!
ネット通販からサミットまで本当に幅広いですね!
「そうですね。実際やっているのは、よくハッカーなんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、そういった、ハッカーが行うサイバー攻撃を発見して防ぐというような仕事をイメージしていただけたらいいかなと思います」
今回、働くことになる新規事業開発部は、今までのシステム開発やセキュリティとは別の事業とのこと。どんな事業なのだろう。
「今後、皆さんが気付かないくらいのスピードでネットワークが広がっていくと思います。衛星回線が当たり前の時代になって、身につけているモノ、街をかたち造っているモノすべてが情報システムとかかわってくる。そうなった時に、その街をきちんと見守っていく仕組みをつくる仕事をしています」
それが『town』という仕組みですね?
すでに実証実験も行われているとか。
「そうです!」
なるほど、今まで培ってきたセキュリティ分野のノウハウを活かし、街全体の安心・安全を見守る仕組みをつくっているという事なんですね。
最後に又江原さんがこんなことを話してくれました。
「求める人物像って難しいよね。でも言語化しないといけないから求人票にはあえて書いているけど、結局は、例えば横断歩道で車いすの人が、段差に引っかかって動けなくなっていたら助けますよね?そうやって誰かが困っていたら助けてあげる、そんな人がいいな」
「その時、助けたいと思っていたけど、勇気がなくて、恥ずかしくてできなかった、はいいんです。その「助けたい」という気持ちを持っているかどうかが大事だな。
セキュリティの事業を最初に始めたメンバーは、みんなテレビのヒーローにあこがれていたんです。世のため、人のために何かしたい、そう思った連中が集まってできた会社なんです。僕もウルトラマンに憧れていたけど、いつしか、破壊獣なんて言われてますけどね(笑)」
社会のために何かしたい。
誰かの役に立ちたい。
何か新しいことに挑戦したい。
スーパーヒーローにあこがれている(?)
そんな人は、一度話をしてみてください。
きっと新しい風が吹くはずです。
※撮影時はマスクを外していただきました。