最近は、ネットバンキングの普及と共にめっきり銀行に行く機会が減ってきました。
しかし、ネットではできない手続きがある方や、そもそもネットユーザーではない方、法人の方などは、近くの銀行の窓口を利用することも多いと思います。
久留米市に本社を置く株式会社筑邦銀行は、福岡県内を中心に44店舗(2022年7月現在)を構える地方銀行です。
西鉄久留米駅から徒歩6分、国道3号線沿いに見えてくるのが筑邦銀行の本社です。1階には本店の店舗があります。
今回は、各店舗の窓口業務と後方事務のスタッフを募集します。
以前、銀行に勤めていた方はもちろん、全くの未経験でも、接客が好きな方、長く勤めながらキャリアアップを目指したい方には、『銀行で働く』ことを考えてみてはいかがでしょう?
銀行窓口の仕事はひと昔前とだいぶ違う?
今回、話を伺ったのは、人事グループの早田さん、本店営業部副部長の重富さんと、本店で窓口業務を行う黒岩さんの3名。
先に到着した早田さんと話していると、息を切らして重富さんと黒岩さんが応接室に入ってきた。
「本日は私のために来ていただきありがとうございます!」
と重富さん。
みんな一斉に爆笑。
堅い場の雰囲気が一気に和らいだ。
早田さん曰く、各店舗で窓口業務を募集しても、なかなか人が集まらないとのこと。
銀行での仕事は、「大変そう」「1円でも合わないと帰れない」というイメージを持っている人も多いかもしれない。
私自身も銀行で働く事は全く想像できなかった。
「今は、機械があるので大量のお札を手で数えることもありませんし、1円足りないから帰れない、なんてことはほとんどありません」
「勤務時間は人によって様々ですが、大体、窓口業務は営業時間の朝9時から16時くらいまで。窓口業務のサポートや閉店後の処理等を行う後方事務の仕事も17時まで。残業はほぼないですね」
と早田さん。
それを聞いて、持っていたイメージが今は過去のものになっている事に気づいた。
母の背中を見て選んだ銀行の窓口での仕事
窓口業務を担当している黒岩さんには、5歳と2歳のお子さんがいる。
高校を卒業してすぐに別の銀行に就職。結婚を機に離職し、2人の子どもを出産、4年のブランクを経て昨年の夏、再就職した。
「もともと、母親が銀行の窓口の仕事をしていて、身近だったことと、しっかりした仕事だというイメージもあってこの仕事を選びました。再就職の際には違う職種も考えたんですけど、一からやるよりは、慣れている仕事でまた頑張りたいなって」
再就職で考慮したのは育児との両立。
以前勤めていた銀行はとても忙しく、子育てしながらだと厳しいだろうなと思っていた。
そのため、自宅から近かったこともあり、ここなら希望の働き方ができるのではないかと筑邦銀行への就職を決めた。
「前の職場と比べると、ここはゆっくりめなのかなと思って入ったのですが、全然……。本店という事もあって忙しいです(笑)。でも、残業もないですし、両立出来ています」
現在は、パートタイムで月13日、9時から16時の時間帯で働いている。
今は子どもが小さいのでパートタイムでの勤務だが、大きくなったらステップアップも視野に入れているとのこと。
筑邦銀行では、パートタイムから嘱託行員、行員への昇進制度もあるので、キャリアアップを目指したい人にはうってつけだ。
未経験からのチャレンジは?
窓口や後方事務で働いているパートタイムのスタッフは、黒岩さんと同じく、銀行業務の経験者が多いそう。
という事は、未経験者はハードルが高い?
「中には、未経験から後方事務として入社した方もいらっしゃいます」
銀行での仕事は、お金を扱うことに加え、事務規定が定められた様々な制度を覚える必要がある。
それゆえ、
「経験者の方よりは少しハードルは高いかもしれませんが、丁寧に教育していきますので、安心してください」
また、経験者でも制度や処理の方法など扱うシステムが変わるため、ブランクの期間が長ければ長いほど、再就職の際には業務を覚えなおす必要があるそうだ。
10年空くと事務処理の仕方が以前とは全く変わってしまった、という事も珍しくないとのこと。
黒岩さんが4年で復職したのも、そういった理由から。
「あまり間が空くと業務についていけるか不安でした。また、以前勤めていた銀行と使っているシステムが異なるため、少し大変でしたね。今は慣れましたけど」
しかしこれは、どの業界もそう。
経験の有無は関係なく職種や会社が変われば、仕事を覚え、慣れるまではやはり一定の期間が必要になってくる。
重富さんは言う。
「彼女には正確に処理してもらっていますが、『以前の職場ではやらなくてよかったのに』と思う部分は多々あるかもしれません。実際に『この処理をもう少し簡素化してほしい』という声は、現場から聞こえてきますね」
少しずつ改善はしているものの、一気には難しいという。
「日々変わっていく事務規定を1つ1つ共有して覚えてもらうという時間は必要で、それでも自分が入社した20年前に比べると年々短くなってるのかな」
以前は、研修などでじっくり覚える事も出来ていたが、最近は実際の業務をやりながら、スピーディーに覚えていく事が求められている。それゆえ、大事になってくるのは、自ら進んで覚える姿勢。
黒岩さん自身、様々な変更も「やりながら覚える」というスタンスで挑んでいる。
「お客様への対応中に分からないことがあれば、窓口の後ろにいる社員に聞きながらやっています。基本的に分からないことは聞くことができるので、その辺は安心しています」
入社後、研修の初日はここ久留米の本店に来て、研修を受けることになる。
その後は各店舗で実際に働くが、未経験の方はプラスして数日研修を行うそうだ。
「経験者の方は事務処理のオペレーションを中心に。未経験の方は、新入社員と同じように『預金とは』からはじまり、基本的な知識の部分から、しっかりと覚えてもらいます」
基本的に転勤はないが、引っ越しなど本人の都合で勤務地が遠くなってしまった際には、近くの店舗に異動することも可能だとか。
「業務自体は、オペレーションを覚えてしまえばどこの店舗も同じですから、変わっても大丈夫です」
銀行の窓口業務に向いている人は?
では、実際にこの仕事にはどんな人が向いているのだろうか。
黒岩さんに聞いてみた。
「心配性の人の方が向いているかもしれませんね」
心配性の方?
「やっぱり、お金を扱う仕事ですし、数字を打ち込むときも何度も確認するくらいの方が、ミスは防げますしね」
黒岩さん自身もまた、何度も確認をするそうだ。
確かに、お客様の大切なお金を扱う仕事、心配性で何度も確認するくらいがちょうどいいのかもしれない。
また、コロナ禍でマスクを付けて接客をしていると、表情が見えなかったり、声が聞き取りにくかったりという事も多い。店舗によってはご高齢の方が多い店舗もある。
実際に本店で働く黒岩さんも、お客様によっては大きな声で話したり、ゆっくり話したり、その都度適切な対応を心がけているそう。
「家庭が一番」、だれもが働きやすい職場に
窓口業務・後方事務として仕事をするのは、ほとんどがパートタイムの女性だ。
黒岩さんのように子育てをしながら働いている方も多い。「子どもが急に熱を出したら……」というのは最初は誰もが心配することの一つ。
「復帰してすぐは、子どもが急に熱を出したりして、お休みを取らないといけない事もありましたが、いつも『大丈夫ですよ』と言っていただくので、その辺は安心して働けています」
職場では『大丈夫ですよ』の一言で救われることも多い。
黒岩さんの上司にあたる重富さんも「家庭が一番ですから」と言い切る。
そうした空気ゆえか、筑邦銀行の育休取得率は100%。そしてほぼ全員が復帰しているそう。
また「男性行員の育児を目的とした休暇取得率を50%以上とする」という目標も掲げ、パパにとっても働きやすい職場を目指している。
勤務日数は、窓口業務が月13日、後方事務が月15日の中で、シフトを組んで行われている。
「前月末に翌月のシフトが決まるので、事前にこの日は休みたいという希望があれば、それを元にシフトを組みます。ただ、毎月25日や月末近くは忙しいので、その日はなるべく来てもらう感じにはなります」
「もちろん、どうしてもの時や子どもさんの体調不良の時は調整がききますので、気軽に相談してもらえたらと思っています」
今まで、銀行で実際に働くイメージがつきにくかったのは、堅いイメージだったから。
でも、たくさんのことを覚えるのが好き、変化を丁寧に楽しめる、色んな人と接することができる人なら、「銀行で働く」が、一つ新たな選択肢になる、そんな気がした。
※撮影時はマスクを外していただきました。